コウノドリで話題となった無痛分娩とは!?

コウノドリ 無痛分娩

人気のドラマ、コウノドリで扱われた無痛分娩について解説していきます。

無痛分娩はどのような効果があるのでしょうか?

注意点はあるのでしょうか?

 

コウノドリ2期(2017)のおさらい

コウノドリ2期3話で無痛分娩が話題となります。

心臓病をかかえる妊婦・麗子の負担を考え、サクラは無痛分娩を提案します。

ところが、麗子は「自然分娩がしたい」と言い出した。

 

お友達から、「無痛分娩で産むのは、赤ちゃんより自分のことが大切なんだって。自然で産んだ母親の愛情には敵わないから可哀想だって」と言われたとの理由で。

 

サクラは、「僕は産科医なので、お友達のデタラメ話で2人の命を危険にさらすことはできません」

優しく諭して、無痛分娩での出産に納得してもらいました。

 

出産や子育てについては、多くの方が経験することであり、身近なことであることから、色々なことを言う先輩がいますよね。

 

無痛分娩とは?

無痛分娩とは麻酔薬を使って、陣痛の痛みを和らげながら出産する方法

麻酔で完全に眠る形でなく、痛みは抑えつつも意識を保った状態にします。

それは、分娩時にいきんで赤ちゃんを出したりするためです。

このような状況のため、出産直後は、赤ちゃんをすぐに抱っこすることもできます。

 

要は、通常の経腟出産を痛みを軽減させて出産する方法になります。

 

無痛分娩の方法

硬膜外鎮痛法という下半身の痛みだけをとる方法が世界で最も採用されています。

硬膜外鎮痛法は、腰の後ろから脊髄の周りの硬膜の外側にカテーテルを入れ、そこから持続的に薬剤を注入する方法となっています。

ただし、硬膜外麻酔は鎮痛効果が現れるまで20分ほどかかります。

そのため、より速く鎮痛するために硬膜外より脊髄に近い、くも膜下腔に麻酔薬を注入する脊椎麻酔を併用することもあります。

 

鎮痛効果が出るまで時間を要することから、陣痛がすでに進んでいる出産の場合、無痛分娩が間に合わないこともあります

 

無痛分娩の効果

痛みがやわらぐことで産婦の心理的・身体的負担を軽減できることが最大のメリット。

さらに、分娩時に起こりやすい過換気を防ぎ胎児への酸素供給量を維持・安定させるといったメリットもあります。

 

無痛分娩は、母体の呼吸器系への負荷を軽くし、循環器系の働きが安定する効果があります。

そのため、妊娠高血圧症候群、脊髄損傷、気管支ぜんそく、心疾患、脳血管障害などのある妊婦に医学的適応があるとされています。

 

無痛分娩のリスク

無痛分娩には合併症のリスクがあります。

具体的には、低血圧、神経障害、硬膜外血腫、胎児の一時的徐脈(不整脈)および母体の体温上昇が発生することがあります。

また、硬膜外麻酔のためのカテーテルが誤って血管内やくも膜下に入れてしまうことがあります。

このことに気がつかないまま麻酔薬を注入してしまうと、母体の意識障害や胎児への酸素供給量低下をもたらすリスクがあります。

 

無痛分娩での事故

京都では同じ医療機関で硬膜外麻酔の事故が3件発覚しました。

このうち、1件は子どもが寝たきりのまま3歳で死亡

残りの2件は、母子ともに寝たきりの植物状態であると報道されています。

 

神戸では異なる医療機関で、それぞれ母親は寝たきりのまま1年8ヵ月後と1年後に死亡しました、

このうち1件は子どもも寝たきりになっています。

大阪の事例も、事故後から母親は寝たきりの状態になり約10日後に死亡

 

同じ医療機関で3件も重大な事故が発生していしまっているのは、無痛分娩に対して、体制が不十分だったと言わざるを得ない状況ですよね。

元気だった妊婦さんが、無痛分娩を選択したために、植物状態になってしまったというのは、家族にとっては、受け入れがたい状況だと思います。

 

無痛分娩の注意点

欧米で行われている無痛分娩の多くは、医療設備やスタッフが十分に整った環境下で行われています。

この点が、日本で一般的に行われている無痛分娩とは根本的に異なっています。

 

具体的な欧米での体制は、以下の通りです。

  • 産科医1人だけでなく、麻酔科医や新生児科医らと一緒になって専門性の高い医療介入を実施。
  • すぐに救急医療にも対応できる施設で実施。
  • 24時間体制で実施。

 

日本で事故にあった病院の場合、個人院で行われていることが多いため、事故が起こってから別の病院に転送しています

そのため、その間に手遅れになってしまうことがあります。

 

また、個人院では、医師が1人等マンパワーに限りがあるため、子宮収縮薬(陣痛誘発剤・陣痛促進剤)による計画分娩を選択しています。

そのため、24時間体制で見守ることは厳しい状況です。

欧米ほどの体制はとれなくても、せめて医師が複数いる等の最低限の病院側の体制を確認して、無痛分娩での出産を決断するほうが安全と言えるでしょう。

 

つまり、妊婦や家族の側も、無痛分娩を希望する場合は、どのような体制で実施されるのかきちんと確認する必要があると言えます。

また、その無痛分娩がどのような手法でなされるのか、また、安全と言えるのかを考え、確認し、しっかり納得した上で選択する必要があると言えるでしょう。

 

日本の無痛分娩事情

日本の無痛分娩選択率は、なんと2.6%(2007年)

少数派の出産方法であることがわかります。

少しデータが古いため、今はもう少し数値が高くなっているようですが、少数派の出産方法である事実は変わっていません。

 

世界の無痛分娩事情

フランスでは80%(2010年)が無痛を選択。

アメリカでは61%(2008年)。

この2つの国では主要な出産方法であることがわかります。

 

イギリスでは、23%(2006年)。

ドイツは18%(2002-3年)。

イギリスでは主要とは言えない数字ですが、日本に比べると多いことがわかりますね。

 

次にアジアの国を見てみます。

シンガポールで16%(1997-9年)

香港・台湾が9%(1997-9年)

アジアにおいても日本より無痛分娩率が高い国が多いですね。

 

世界では、無痛分娩が日本より多く行われている国が多いことがわかります。

 

まとめ

欧米で一般となっている無痛分娩。

日本では、まだまだ少数派の出産方法となっております。

また、日本では近年無痛分娩での事故も発生していています。

その背景には、日本では、欧米のように十分な体制を備えて、無痛分娩を扱っている病院が少ないことがあげられます。

無痛分娩を選択する場合は、体制等をしっかり確認しましょう。

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